PE

ABOUT US

PEは、工業製品や量産消費される製品に使用されるポリエチレン素材に着目し、クラフトの視点でアプローチすることをコンセプトにしたハンドメイドのプロダクトシリーズです。2007年、京都を拠点に活動するクラフトスタジオPull Push Products.の2ndコレクションとして素材実験がスタートしました。

コレクション名は、「Polyethylene(ポリエチレン)」の略表記 「PE(ピー・イー)」を、ローマ字発音に読み替え「ペ」と発音します。素材として使用されるポリエチレンは、日用品として一般量販店で購入できる「ポリ袋」を使用。袋状のポリエチレンフィルムを重ね合わせ、手持ちの電気アイロンを使い幾層にも溶かし重ね合わせることで、ポリエチレン素材にユニークな素材感を加えています。

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製品作りの全工程は、佐藤延弘により一貫した手仕事で行われています。製品の開発段階で「いつでも誰もが購入できる日用品を素材とすること」「身近にあるシンプルな道具で加工すること」の2つの条件を設定し、ポリ袋とアイロンを使った独自のモノづくりのスタイルが生まれました。

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シンプルな製法ゆえ、素材の表情はフィルムの重ね方や電気アイロンの温度、圧力、動かし方により質感が変化し、作り手の繊細な感覚が仕上がりにそのまま反映されます。 熱で縮み重なるフィルムのシワ、溶けて固まりとなる凹凸、プラスチック特有の光沢感、ケミカルな色合い。
素材の特性を素直に受け入れ、手仕事の曖昧さが製法として洗練されていくところにクラフトの魅力があると考えています。手仕事で一つひとつ生み出すプロダクトにこだわりを持ち続けることで、創ることと使うことのバランスを保ちながら作り手とともに成長するモノ作りを行っています。

Materials & Manufacturing methodology

ポリ袋

PEのプロダクトは、未使用のポリエチレン袋(低密度ポリエチレン/LDPE)を素材に作られます。ホームセンターや日用品店、ドラッグストアなどで販売されている45L容量のポリ袋を使用します。ゴミ袋などとして短期使用の目的で製造されている消耗用品を材料として用いることで、「製品製作のための材料製造」「材料消費のための大量生産」を行う必要がなくなり、適量生産できるプロダクトを目指しています。

ポリ袋

袋のフィルム厚は0.024~0.04mm。薄いフィルムを熱で溶かしながら積層させることで厚みと強度が高まり、その際にできるシワやヒダが適度なクッション性と生地の硬さやしなやかさになります。フィルムの積層で作られているため、軽い仕上がりになるのも特徴です。

フィルムは通常のアイテムで6枚〜12枚、プレート状に硬く仕上げられるものであれば48〜60層まで時間をかけゆっくりと熱を加えながら重ねていきます。ポリエチレンプラスチックは防水性が高く、耐油性・耐薬品性に優れた性質を持つ素材でもあり、ファスナーレールなどのパーツもプラスチックが使われているため、すべてリサイクルすることが可能です。

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生地作りから成形、パーツ接合、仕上げまで、大小の電気アイロン、電気ゴテ、シーラーを使いわけ、すべて熱加工で作られます。パーツの接合接着は、熱で生地自体を溶かして接着するため強度があり滑らかな仕上がりになります。プレス跡の溶けた表情はアイテムによってはそのままデザイン的な要素として残され、製品それぞれの個性にもなっています。

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製品のカラーは、使用するポリ袋の色の積層によって作られます。半透明の「Frost」は透明のフィルムが重ねられることで表現されています。鮮やかで豊富なカラーバリエーションは、日本国内で流通するポリ袋の中から選んだ30色近くのカラーポリ袋をPEのベースカラーとし、重ねる枚数や重なりを調整することで、色合いや深み、透け感、光沢感などの異なる独自のカラーを表現しています。

color

Craftsman

Nobuhiro SATO
佐藤延弘
1977年 神奈川県生まれ。素材の感覚や、使うことでわかる面白さを大切に、手に触れたくなるようなアイテムを自身の手仕事を通して一つひとつ製作しています。

Our studio

Pull Push Products.
プルプッシュプロダクツは2002年よりスタートしたクラフトブランド。 京都を拠点に活動し、デザインから製品製作、梱包、発送までを行う。
素材とストーリーをモノ作りのコンセプトとし、 大量生産や高度な機械を必要とするモノ作りとは対極にある手仕事の繊細さや緩やかさを大切に考え、 作り手の温度が伝わる製品をゆっくりとしたペースで提案しています。